2018年12月5日水曜日

第7回ブラック企業大賞2018 ノミネート企業発表!

2018年12月5日、ブラック企業大賞実行委員会は、2018年のブラック企業大賞のノミネート企業9社を発表いたしました(以下)。ウェブ投票も開始しましたので(~12月22日17:00締切)、ぜひご参加ください。

1.株式会社ジャパンビジネスラボ
株式会社ジャパンビジネスラボは、都内で語学学校等を運営する企業である。同社で英語講師を務めていた正社員の女性は、2014年、育休明けに保育園が見つからず規定上の休職を申し出たが拒否された。同社には「希望する場合は正社員への契約変更が前提」と記載された育休明け社員向け契約社員転換制度があり、このままでは自己都合退職になると言われた女性は、「正社員に戻れるなら」と、週3回、1年雇用の契約社員として職場復帰した。 復帰後、保育園が見つかり、正社員に戻りたいと求めたが、会社は拒否し、1年後の2015年、「期間満了」を理由に社員を雇い止めした。なお、社員は面談の中で上司から「俺は彼女が妊娠したら、俺の稼ぎだけで食わせるくらいのつもりで妊娠させている」と発言されるなどした。社員は会社を相手取って地位確認を求める訴訟を起こし、2018年9月、東京地裁は、会社が行った雇止めについては無効、会社の対応は不法行為とする判決を下した。ただし、正社員の地位の確認を求めた点については退けた。
判決文では「原告の受けた不利益の程度は著しく、被告(会社側)の不誠実な対応はいずれも原告が幼年の子を養育していることを原因とするもの」と認定している。また、「俺の稼ぎだけで食わせる」発言については、「暗に妊娠した者とその配偶者に落ち度がある批判しているものと捉えられかねない不用意かつ不適切な言動であり、交渉に臨む態度として許容されない」と厳しい指摘をした。
現在、会社側も社員側も共に控訴して係争中である。
女性の労働市場への参加が進む中、出産した女性社員を短期契約の契約社員などに転換させ、契約期限をもって雇止めにする新手の出産解雇は、ここ数年目立っている。その典型的な例の一つとしてノミネートした。

2.財務省

財務省は、国家予算の編成などを担う省庁の1つであり、行政の中枢に位置付けられる国の重要機関である。
今年4月、当時、財務省の事務方のトップである事務次官が、テレビ朝日の女性記者に対して、取材中に性的な言動を繰り返していたことが報道された。同省の最高責任者である麻生太郎財務大臣は当初、事実関係の確認には双方から意見を聴くべきだなどとし、被害女性に名乗りでるよう促す一方で、事務次官がはめられた可能性などにも言及した。
その後、財務省は顧問弁護士に調査を委託。同月27日の記者会見で、事務次官によるセクシュアルハラスメント(セクハラ)があったと判断したことを発表した。なお、事務次官側はセクハラについて否定している。
この過程で麻生大臣は、日本には「セクハラ罪という罪はない」と発言し、セクハラを軽視する態度を崩さなかった。また、セクハラ行為を防止することが第一であるはずなのに、「男を番記者にすればいい」などと女性記者を排除するような発言もあった。こうした麻生大臣の言動は、セクハラが深刻な社会問題であることの認識を欠いていると指摘せざるを得ない。
現在、健全な民間企業はセクハラなどのハラスメントをなくそうと努力している。にもかかわらず、「女性活躍」を標榜する政府の中枢機関で起きたセクハラ事件に対して、その対応があまりにお粗末であったと言わざるを得ない。その悪影響は計り知れないほど大きい。そこで、民間企業ではないが特別にノミネートした。

3.三菱電機株式会社
三菱電機株式会社は、家電から発電機まで様々な電気製品を製造するメーカー企業であり、我が国の代表的な大企業である。
同社では男性社員5人が長時間労働が原因で精神障害や脳疾患を発症して2014~17年に相次いで労災認定されていたことが発覚した。5人はシステム開発の技術者か研究職で、そのうち2人は過労自死しており、3人には裁量労働制が適用されていた。裁量労働制が適用された3名の中には過労自死した社員も含まれていたという。
同社・ネットワーク製作所(兵庫県尼崎市)に勤務し、2016年2月に過労自死した男性社員は亡くなる4カ月ほど前から法定時間を上回る残業がそれ以前の約5倍に急増し、月80時間前後の残業が続いたという。この時期に精神障害が発症したとして、2017年6月に労災認定された。裁量労働制が適用されていたため「残業」扱いにもなっていない。
また、同社名古屋製作所(名古屋市)の技術者の男性社員(当時28歳)は、2012年8月に過労自死した。2011年にシステム開発プロジェクトの担当に任命されたが、システムに次々と不具合が発生した。完成が予定に間に合わず、遅れを取り戻すために月100時間を超す長時間労働が数カ月続き、精神障害を発症。2014年12月に労災認定された。
長時間労働による過労死という深刻な事故を起こしながら、同社は再発防止できず、4年間に2人もの過労自死を出したことは極めて重大であり、短期間に長時間労働を原因とした労災が5件も認定されたことも異常な状況であるため、ノミネートした。

4.株式会社日立製作所・株式会社日立プラントサービス
株式会社日立製作所は、日立グループの中核的企業であり、日本を代表する電機メーカーである。会長の中西宏明氏は、日本経団連会長を務めている。また、日立プラントサービスは日立製作所のグループ会社である。
2013 年に同社に新卒入社した20 代の労働者が、日立プラントサービスに在籍出向中、精神疾患によって労災認定された。この労働者は富山県の工事現場で設計・施工管理監督をしていたが、月100 時間を超える長時間残業が頻発し、最大で月160 時間を超えていた。
さらに、所長から「いらない」「着工まで不要」「めざわりだから帰れ」「仕事辞めてしまえ」などの暴言を受け続け、労働時間を勤怠記録に記入する際には「考えてからつけるように」と言われ、労働時間の過少申告に追い詰められた。さらには座っていた椅子を蹴られており、これらの長時間労働やパワハラによって精神疾患を発症した。
加えて、同社では山口県の笠戸事業所において、数百名のフィリピン人技能実習生を不正に働かせていたとして、法務省が技能実習適正化法違反の疑いで同社を調査している。報道によれば、彼らは配電盤や制御盤を作る「電気機器組み立て」を習得するはずが、窓や排水パイプ、カーペットやトイレを鉄道車両に取り付ける作業しかさせられていなかったという。技能実習生の在留資格の更新ができないことを理由に、すでに99 名が解雇されている。
長時間労働とパワハラによって深刻な労災が発生したこと、また、外国人技能実習生に対する扱いの不適切さからノミネートした。

5.株式会社ジャパンビバレッジ東京
株式会社ジャパンビバレッジ東京は、サントリー食品インターナショナルグループ傘下の自動販売機オペレーション大手・ジャパンビバレッジホールディングスの子会社である。
同社は、2017 年末に足立労働基準監督署により「事業場外みなし労働時間制度」の違法適用を指導され、違法な長時間残業があったとして是正勧告を受けた。この労働者の残業時間は月100 時間を超えていたという。
しかし、同社はこの制度を違法適用したことで、1日10 時間を超える自動販売機の補充などの労働に対して、7時間45 分の給与しか支払っていなかった。
また、ある支店の支店長がクイズを出し、正解者にのみ有給休暇の取得を認める「有給チャンス」とよばれるパワハラの存在も明らかとなり、メディを賑わせた。言うまでもないが、有給休暇の取得は労働者の権利であるので、「クイズに正解すること」をその取得条件とすることは法律違反である。この「有給チャンス」問題に関連して、同社の複数の管理職が処分されたという。
自動販売機でいつでも飲み物が買えるのは、その自動販売機に飲料を補充する労働者があってのことであるが、その利便性の裏には、無理のある労働条件や有給休暇すらまともに取らせないパワーハラスメントなどの横行があったことは、世に広く知られるべきことであるのでノミネートした。


6.野村不動産株式会社
野村不動産株式会社は、不動産業界の最大手企業である。野村不動産では、「裁量労働制」が違法適用されていた2016 年9月、50 代の男性社員が過労自殺していたことが今年3 月発覚した。
同社では2005 年、会社の中枢で経営企画の立案や情報分析などを行う社員が対象の「企画業務型裁量労働制」を約600 人の社員に適用した。だが実際には、マンションの営業担当など本来は適用の対象とはならない業務の担当者がここに多数含まれており、亡くなった社員もこれを適用された結果、一ヶ月の残業時間が180 時間を超えることもある長時間労働を強いられていた。
上記の過労自殺が労災認定された2017 年12 月には、こうした裁量労働制の違法適用とそれに伴う違法残業、残業代未払いなどにより同社の東京本社など5 つの事業所が労働基準監督署から是正勧告を受けたほか、宮島誠一社長が東京労働局から是正の特別指導を受けている。
裁量労働制が違法な長時間労働の温床となっている事実を示し、その悪用が最悪の労災事故を引き起こした事例としてノミネートした。


7.スルガ銀行株式会社
スルガ銀行は静岡県沼津市に本店を置き、東京ほかの大都市でも営業展開していた地方銀行である。同行では、今年5 月に破産手続開始が決定し破綻した不動産会社「スマートデイズ」の勧誘のもと同社のシェアハウスに投資していた一般投資家らに不正な融資をしていたことが判明し、今年9 月7 日にはこの問題に関する第三者委員会(委員長=中村直人弁護士)の調査報告書が公表された。これにより、同行が行員たちに過大なノルマを押し付ける一方、達成できない人に対しては凄絶なパワーハラスメントを行っていたことが発覚した。
上記報告書によれば、第三者委ではスルガ銀行の全行員を対象にアンケート調査を実施。その結果、「首を捕まれ壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴った」「数字ができないなら、ビルから飛び降りろといわれた」、「ゴミ箱を蹴り上げたり、空のカフェ飲料のカップを投げつけられた」「死んでも頑張りますに対し、それなら死んでみろと叱責された」「ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、お前の家族皆殺しにしてやるといわれた」…などの回答が多数寄せられたとされており、第三者委もこうしたパワハラの蔓延が不正融資の温床になったとの見方を示している。
パワハラ行為それ自体のひどさもさることながら、この放置・励行が最終的には社会全体に害を及ぼすことの実例としてノミネートした。

8.ゴンチャロフ製菓株式会社
ゴンチャロフ製菓株式会社は神戸市に本社を置き、チョコレート・焼き菓子などの洋菓子の製造販売及び喫茶経営を手がけている。
2016 年6 月、同社の工場に勤務していた当時20 歳の男性が電車に飛び込んで自殺した。これが長時間労働と上司によるパワーハラスメントが原因として、2018 年6 月に西宮労働基準監督署により労災認定された。
報道によると、チョコレート製造などに携わっていた男性は、廃棄品は牧場に回されることから、ミスをすると「牛のえさ、作りに来とんか」と責められ、辞意を申し出ると「お前の出身高校からはもう採用しない」と叱られるなど、上司からパワハラを受けていたという。
さらに男性は2015 年9 月~12 月には月約80~100 時間の残業をしており、同労基署は「業務による強い心理的負荷が認められる」とした。長時間労働とパワーハラスメントによって20 歳の若い命が奪われるという痛ましい事例であり、近年社会問題となっている長時間労働とパワーハラスメントを象徴する事例としてノミネートした。


9.株式会社モンテローザ
株式会社モンテローザは「白木屋」「魚民」「笑笑」「目利きの銀次」「山内農場」などの居酒屋チェーンを展開する外食企業である。
2017 年6 月、同社が福岡県福岡市で運営する「わらわら九大学研都市駅店」の店長(当時53 歳)が開店準備中に倒れ、致死性不整脈で亡くなった。遺族の労災申請を受けて福岡中央労働基準監督署が調査したところ、男性が亡くなるまでの3カ月間の時間外労働が過労死ラインとされる月80 時間におおむね達していると確認されたことなどから、今年8 月7 日、労災と認定された。
男性のいとこがインターネットで発表した告発漫画によれば、男性は生前、友人とのLINE で「15 時から深夜3時まで勤務。それから6 時台の始発まで帰れず、8 時前にやっと帰宅。そのあと12 時には起きないといけない」「地獄です」などと漏らしていた。
モンテローザでは各店に勤怠管理ソフトを導入しており、亡くなった男性も記録上は週に2 日休み、休憩も取れていることになっていた。だが上記漫画や一部報道によれば、このソフトは一種の「労基署対策」であり、実際はサービス残業や休日出勤、休憩なしの労働がまかり通っていたという。
外食産業における長時間労働の結果の過労死という幾度となく繰り返される悲劇は、けっして看過できないためノミネートした。



2018年11月30日金曜日

ブラック企業大賞2018 ノミネート企業発表と授賞式の日程が決まりました

★最悪の企業はどこ?どうすれば闘える?★
 第7回 ブラック企業大賞2018 ノミネート企業発表は12月5日


 このたび、ブラック企業大賞企画委員会は、12月5日(水)14:00~15:00に「第7回ブラック企業大賞2018」のノミネート企業を発表する記者会見を行います。
 記者会見の終了後に、本ウェブサイトにノミネート企業を掲載し、皆様からのウェブ投票を開始いたします。

 2018年の授賞式につきましては、下記の通り開催いたしますので、ぜひご参加ください。



 最悪の企業はどこ?どうすれば闘える?
 第7回 ブラック企業大賞2018
 授賞式&シンポジウム


 パワハラ、セクハラ、残業代未払い、?時間労働、派遣差別、偽装請負・・・。日本の労働環境はいまますます悪化の一途をたどっています。それらの職場はここ数年で「ブラック企業」と称され、社会的にも注目されつつあります。しかし個別事例の調査やその問題の発信・解決も簡単ではなく、ブラック企業で働く当事者は、不当な処遇を受けていても声をあげられる状況ではありません。さらにはブラック企業を生み出す社会・経済的な構造についての分析も不十分であるため、きわだったブラック企業の存在は一時的に取り上げられても、企業全体・働く場全体の質の向上にはなかなか結びついていません。
 そこで私たちは、ブラック企業の個別の事例はもちろんのこと、それら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして2012年に「ブラック企業大賞」を立ち上げました。今年で7回目を迎える2018年は、12月23日に授賞式&シンポジウムを開催します! 多くの話題と批判を集めた企業をノミネートし、その実態と問題の背景・原因を鋭くつっこみます。ぜひ多くの方の参加をお待ちしています。

【授賞式概要】
●日時:2018年12月23日(日・祝)14:00~17:00(開場13:30)
●会場:会場:全水道会館 4F 大会議室
 会場地図:http://www.mizujoho.com/zensuido/access/tabid/82/Default.aspx
●資料代:500 円
●主催:ブラック企業大賞企画委員会

2017年12月24日日曜日

第6回ブラック企業大賞2017 大賞・各賞発表いたしました

2017年12月23日(土・祝)、第6回ブラック企業大賞2017授賞式を開催し、大賞ほか各賞の発表をいたしました。以下に各賞および授賞理由をご報告いたします。

●ブラック企業大賞: 株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西

 引越社グループは、引越社関東所属の男性営業社員をシュレッダー係に配転し、懲戒解雇をしました。懲戒解雇の理由を「罪状」などと記載し、男性の顔写真を入れた書類(罪状ペーパー)を、貴社グループの店舗へ掲示。さらに、貴社は同様の文面を全従業員に送る社内報へ掲載し、送付しました。
 今年8月、東京都労働委員会はこれらの行為は、男性が労働組合(プレカリアートユニオン)に加入したことによるものであるとして、不当労働行為であると認定しました。また、東京都労働委員会は、貴社が労組へ加入した従業員らに対し、労組からの脱退を促す行為をしたとして、これも不当労働行為であると認定しています。
 引越社関東は、2年前に開催された「ブラック企業大賞2015」において「ウェブ投票賞」「アリ得ないで賞」をW(ダブル)受賞しています。その際「ブラック企業大賞をエサに企業恐喝まがいの行為をし、金銭を要求することが真の目的なのかもしれない」などと、ウェブ媒体で副社長は事実無根の大嘘を述べ、恥を上塗りしました。
 解雇撤回後も約2年にわたり、男性営業社員に終日シュレッダー業務を強いるなどの、人権侵害行為を続けた引越社グループ。その漆黒なるブラックぶりを早期に改め、貴社がまともな企業へ再生することを切に願い、ここに「ブラック企業大賞2017」の大賞を授与します。

●特別賞:大成建設株式会社・三信建設工業株式会社

 今年3月、東京オリンピック・パラリンピックで使用するメインスタジアム「新国立競技場」の建設工事の現場で働く、当時23歳の男性が自死しました。この事案については新宿労働基準監督署が労災認定しています。
 新国立競技場の建設工事は、大成建設株式会社が元請としておこなっており、その一次下請け企業である三信建設工業株式会社に男性は雇用されていました。男性が自殺する前の1カ月の残業は約190時間であった。この事件を機に、東京労働局は、「新国立競技場」の建設工事に関わる約760社を調査した結果、37社で違法な時間外労働が確認され、新宿労基署が是正勧告をしました。
 東京オリンピックの施設を無理な工程で急がせていたことが、この痛ましい自死の背景にあります。人の死を招くほどの長時間労働は必要なのでしょうか? オリンピックの美名の下に若いいのちが失われた事実を私たちはけして忘れてはならない。よって、ここに「ブラック企業大賞2017」特別賞を授与します。

●業界賞:新潟市民病院

 貴院は2016年1月、当時37歳だった研修医を過労自殺に追いやりました。研修医が亡くなる前の残業時間は月平均で過労死ラインの二倍に相当する187時間、最大で251時間に及び、これは本年のノミネート企業中最多です。
 この悲劇が新潟市の運営する公立病院で起きたという事実も、強調されるべき点でしょう。全国医師ユニオンが今年11月に公表した勤務医労働実態の調査結果によると、全国の勤務医のうち過労死ラインである月80時間を超える時間外労働を行っている医師は常勤医で4.9%、当直を行う常勤医で7.3%、初期研修医8.5%、後期研修医では18.9%に上り、このデータ通り近年、医師の過労死が多数報告されています。
 さらに日本医療労働組合連合会(医労連)が2013年に実施した看護職員の労働実態調査調査では、全国の看護師の125人に一人が過労死ライン超えの働き方をしているとされています。人の命を救う医療・看護の現場において、その実務に携わる労働者たちの命が日常的に脅かされているなど、あってはならないことです。そこで貴院に対し「業界賞」を進呈し、これが全国の勤務医・看護師たちの労働環境が一日も早く適正化されるための、一助となるよう願うものです。

●ブラック研修賞 ゼリア新薬工業株式会社

 貴社は2013年5月、ビジネスグランドワークス社に委託し行っていた新入社員研修において、当時22歳の新入社員を精神的に迫害し、追い詰め、死に追いやりました。
 過去のいじめ体験や、本当にそのような事実があったかさえ定かでない吃音について大勢の同僚の前で告白させたその研修内容は、貴社の業務をこなしていく上で全く必要のないものであり、無意味です。仮に意味があったのだとすれば、それは貴社が、従業員は使い捨ての道具でしかなく人格は不要とみなしていたがゆえに、従業員の自我を崩壊させる積極的な必要性を感じていた、という以外の理由は考えられません。これは許されざる人権侵害です。
 一方で残念なことに、貴社以外の多くの企業もビジネスグランドワークス社、あるいは同種の別企業に新人研修を委託し、洗脳まがいの研修を実施してきた現実から目をそむけることもできません。そこで貴社に「ブラック研修修賞」を進呈し、これにより、従業員に人格を認めない貴社のような企業が少しでも減ることを願うものです。

●ウェブ投票賞 日本放送協会(NHK)

 貴社は、第6回ブラック企業大賞における一般市民からのウェブ投票において、3855票(ウェブ投票3848票、授賞式会場での直接投票7票)と、他企業と比べ圧倒的に多い票数を得ました。
 これも貴社の労働者へのひどい仕打ちがインターネット等を通じ、全国に知られることとなり、多くの人たちからの批判が生まれていることの結果です。ここにウェブ投票賞を贈呈し、一日も早い改善を求めるとともに、貴社が今後より一層労働問題の報道に取り組むことを望みます。





2017年12月20日水曜日

第6回 ブラック企業大賞2017授賞式&シンポジウム

最悪の企業はどこ?どうすれば闘える?
第6回 ブラック企業大賞2017授賞式&シンポジウム

パワハラ、セクハラ、残業代未払い、長時間労働、派遣差別、偽装請負・・・。
日本の労働環境は、ますます悪化の一途をたどっています。それらの職場はここ数年で「ブラック企業」と称され、社会的にも注目されつつあります。しかし個別事例の調査やその問題の発信・解決も簡単ではなく、ブラック企業で働く当事者は、不当な処遇を受けていても声をあげられる状況ではありません。さらにはブラック企業を生み出す社会・経済的な構造についての分析も不十分であるため、きわだったブラック企業の存在は一時的に取り上げられても、企業全体・働く現場全体の質の向上にはなかなか結びついていません。

そこで私たちは、ブラック企業の個別の事例はもちろんのこと、それら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして「ブラック企業大賞」を立ち上げました。12月23日、その授賞式&シンポジウムを開催します!ぜひ多くの方の参加をお待ちしています。

【授賞式概要】

●日時:2017年12月23日(土・休)14:00~16:30(開場13:30)

●会場:全水道会館 4F 大会議室 アクセスはこちら

●資料代:500 円

●主催:ブラック企業大賞実行委員会

お問合せ
 〒101ー0063 千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル3F PARC気付
TEL.03-5209-3455 FAX.03-5209-3453
E-mail: office@parc-jp.org

2017年11月28日火曜日

ブラック企業大賞2017 プレイベントのお知らせ

今年のノミネート企業はどこ!?
ブラック企業大賞2017 プレイベント
~実行委+ゲストで今年の見どころをたっぷり語ります!~
 
毎年恒例のブラック企業大賞。今年で6年目を迎えます。
11月27日に今年のノミネート企業が発表され、その日からウェブ投票もスタートしました。プレイベントでは、実行委員会メンバーに加え、国会議員のゲストをお招きし、ノミネート企業の傾向や、政府が進めようとしている「働き方改革」の光と影など語ります。ぜひお越しください!
 
●日時:2017年12月4日(月)OPEN 18:30 / START 19:30
●会場:阿佐ヶ谷ロフトA
●予約¥1,000 / 当日¥1,300(共に飲食代別。要1オーダー¥500以上)


※ご予約は阿佐ヶ谷ロフトWEB予約ページにて受付中!
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/76202

2017年11月27日月曜日

第6回ブラック企業大賞 ノミネート企業決定!

2017年11月27日(月)、厚労省記者会見場にて今年のブラック企業大賞ノミネート企業(以下・順不同)を発表いたしました。恒例のウェブ投票は11月27日(月)17:00よりスタートとなります。大賞および各賞の発表は、12月23日(土・祝)の授賞式にて行います。ぜひご参加ください。

1.ゼリア新薬工業株式会社
ゼリア新薬工業は医療用医薬品、一般医薬品のほか「ヘパリーゼ」など健康食品の製造販売を行う大手製薬会社である。同社では2013年4月にMR(医薬情報担当者)として入社した当時22歳の男性社員が、新人研修受講中の同年5月18日に自殺した。
同社の新人研修は人材コンサルタント企業ビジネスグランドワークス(以下、BGW)に一部委託されており、亡くなった男性はこのBGWの講師によって、かつて吃音だったことやいじめを受けていたことを大勢の同期の前で告白させられるなどした結果、「強い心理的負荷」を受け精神疾患を発症。言動に異常が見られるようになり自宅に帰された帰宅途中で自ら命を絶った。男性は亡くなる前「研修報告書」に、同僚らにいじめ体験を知られた際のショックについて書き記す一方、「本当の礼儀を身につけ先生(講師)を見返したい」などとも書いていたが、それにBGWの講師は、「何バカな事を考えているの」「いつまで天狗やっている」などとコメントしていた。男性の自殺は2015年5月に中央労働基準監督署が労災と認定。今年8月には遺族がゼリア新薬とBGW、BGWの講師らを相手取り、東京地裁に合計約1億500万円の損害賠償請求を提訴したことを明らかにした。


2.株式会社いなげや
株式会社いなげやは、関東地方を中心に、2017年6月末時点で137店舗を出店するスーパーマーケットチェーンである。
同社では2014年5月25日、「いなげや」志木柏町店(埼玉県志木市)のチーフだった男性社員(当時42歳)が勤務中に突然呂律が回らなくなり救急搬送され入院。同年6月2日には仕事に復帰したが、同5日の夜に店の駐車場で倒れているところを客に発見され、意識が戻らないまま同月21日に脳血栓により亡くなった。男性の死は2016年6月にさいたま労働基準監督署によって労災と認定され、今年4月に遺族側代理人が会見したことで本件の存在が明らかになった。
代理人によると、亡くなった男性の発症前4か月前の時間外労働は96時間35分、発症前の4カ月平均で75時間53分に到達。ただこの店ではタイムカード打刻前・後のサービス残業が行われていたことが確認されており、上記以外にも「日・時間が特定できない労働時間」があったと推定されている。遺族は会社に対し1億5000万円の損害賠償のほか謝罪、職場環境改善を求めているという。
なお、いなげやでは2003年10月にも従業員が過労自殺し、のちに労災と認定されており、過労による死者が出たのは2度目である。


3.パナソニック株式会社
パナソニックは家電業界では国内首位の総合電機メーカーである。
同社では2016年6月、パナソニックデバイスソリューション事業部の富山工場(富山県砺波市(となみし))に勤務する40代の男性社員が自殺。これが2017年2月に砺波労働基準監督署により過労による自殺であったと認定された。同労基署によれば、男性の残業時間は16年5月には100時間を超えていたという。
さらにこの過労自殺を端緒として始まった調査により、2017年3月15日には法人としてのパナソニックと幹部社員2人が、上記富山工場に勤務していた社員3人に対し最長で月97~138時間の違法な長時間残業をさせたとして、労働基準法違反の容疑で書類送検されている。同社は従前、仕事と育児の両立支援でトップクラスの実績を上げている企業として厚生労働省から「プラチナくるみん」の認定を受け税制優遇措置も受けていたが、この書類送検を受けて厚労省から認定を外されている。
なおパナソニック側は「雇用関係がない」としているが、同社の福井市の工場に勤務していた2次下請け会社の社員も2015年10月にクモ膜下出血により死亡しており、2017年1月に福井労基署により過労死と認定されている。


4.新潟市民病院
新潟市民病院は、1973年に設立され「人間性豊かな医療人の育成をめざします。」「患者さんに信頼される、ぬくもりのある医療をめざします」とうたう公立総合病院である。
2016年1月、37歳女性研修医が、長時間勤務が続いたことで睡眠薬を服用して自殺した。女性の月平均残業時間は187時間、もっとも長い月で251時間だった。報道によると、女性が時間外労働を48時間として申告していたことから、病院側は電子カルテの操作記録をもとに算出した残業時間を「…多くは医師としての学習が目的で、労働時間に当たらない」と弁明したという。亡くなる直前、女性は、「気力がない」「病院に行きたくないし、人とも会いたくない」ともらし始めたという。女性の夫は、「病院による殺人に等しい」と語っている。今年5月、女性の自殺は長時間労働による過労が原因として労災認定された。


5.日本放送協会(NHK)
日本放送協会は、放送法に基づき設立される放送事業を行う特殊法人である。
NHKでは、2013年7月、当時、31歳だった女性記者がうっ血性心不全で死亡した。2014年、女性の死因は長時間労働による過労が原因であるとして労災認定された。渋谷労基署によると、亡くなる直前の2013年6月下旬から7月下旬まで1カ月間の時間外労働(残業)は159時間37分。5月下旬からの1カ月間も146時間57分にものぼった。なお、遺族側の調査では、亡くなる直前の残業時間は209時間とされている。労基署は2013年に実施された都議選と参院選の取材で「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定し、「相当の疲労の蓄積、恒常的な睡眠不足の状態であったことが推測される」としている。当時、NHKは、記者について、会社の外で働く時間が長く労働時間の算定が難しいため、あらかじめ決まった一定時間を働いたとみなす「事業場外みなし労働時間制」を適用していた。NHKは、今年10月、女性の過労死事件があったことを公表した。遺族は、NHKの労務管理に不備があったために過労死が発生したとして、「人災である」としている。


6.株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西
株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西(以下「引越社グループ」という。)は、「アリさんマークの引越社」として全国で営業展開する引越による荷物の運搬等を業とする企業である。
引越社グループは、引越社関東所属の男性営業社員をシュレッダー係に配転したり、懲戒解雇したしりした。懲戒解雇においては、その理由を「罪状」などと記載して男性の顔写真を入れた書類(罪状ペーパー)を、引越社グループの店舗に掲示するなどした。さらに、同社は同様の文面を全従業員に送る社内報にも掲載し、送付した。今年8月、東京都労働委員会はこれらの行為は、男性が労働組合(プレカリアートユニオン)に加入したことによるものであるとして、不当労働行為であると認定した。また、東京都労働委員会は、引越社グループが労組へ加入した従業員らに対し、労組からの脱退を促す行為をしたとして、これも不当労働行為であると認定した。
また、引越社グループでは、今年3月、「組合への勧誘は悪徳マルチ商法への勧誘が本当の目的」との張り紙をした行為は不法行為であるとして、名古屋地裁により、50万円の支払を命じられている。


7.大成建設株式会社・三信建設工業株式会社
大成建設株式会社は、我が国有数の大手総合建設会社である。同社は、東京オリンピック・パラリンピックで使用するメインスタジアム「新国立競技場」の建設工事の元請け企業である。三信建設工業株式会社は、特殊基礎土木工事業(地盤注入工事、アンカー・斜面安定工事、地盤改良工事など)を業とする企業で、「新国立競技場」建設において、大成建設から地盤改良工事を請け負った一次下請け企業である。
今年3月、三信建設工業の新人男性社員(当時23歳)が自殺した。10月、新宿労働基準監督署は、男性の自殺は長時間労働による過労が原因の労災であると認定した。報道によると、男性が自殺する前の1カ月の残業は約190時間であったという。この事件を機に、東京労働局は、「新国立競技場」の建設工事に関わる約760社を調査した結果、37社で違法な時間外労働が確認され、新宿労基署が是正勧告をした。報道では、このうち、元請けや1次下請けの長時間労働が顕著で、労働局の担当者は「施工管理者が多く、現場作業後のデスクワークで長くなる傾向がある」と指摘しているという。新宿労基署は、元請けの大成建設にも、入退場記録を提供するなど下請け会社に労働時間の適切な把握を促すよう求め、行政指導を行った。


8.大和ハウス工業株式会社
大和ハウス工業株式会社は国内最大手の総合住宅メーカーである。2017年9月、同社が埼玉西支社に営業職として勤務していた20代男性に違法な時間外労働をさせ、川越労働基準監督署から同年6月29日付で是正勧告を受けていたことが、男性が加盟する「ブラック企業ユニオン」の会見で明らかになった。
同社は2011年にも労働時間の管理に関して是正勧告を受けており、それ以降は一定の時間になると消灯して社員を帰宅させるなどの長時間労働対策を実施していた。
だが男性は、日中にモデルルームなどで住宅販売の営業をした後にも資料作成など多量の業務を課されており、これをこなすためにやむなく住宅展示場の事務所や営業車内で隠れて深夜まで残業していた。労使協定で定められた繁忙期の残業時間上限が月80時間であるところ、男性の残業時間は2015年5月には月109時間に到達。長時間労働の末うつ病になった男性は、2016年5月に退職を余儀なくされていた。


9.ヤマト運輸株式会社
  ヤマト運輸株式会社は国内最大手の宅配便事業者である。同社は、労働基準法への違反例が過去1年あまりに限ってみても数多く報じられている。
2016年12月には、神奈川平川町支店のセールスドライバー(SD)に対して残業代の未払いなどがあったとして横浜北労働基準監督署から是正勧告を受けたほか、2017年5月にはパート従業員の勤務時間改ざんと賃金の未払いがあったとして、同社西宮支店に西宮労働基準監督署から是正勧告を受けている。さらに17年9月20日には、博多北支店のSDに対し労使協定で定めた残業時間上限(1カ月95時間)を超える月102時間の残業を違法にさせていたとして、法人としての同社と、同支店の幹部社員2人が労働基準法違反の疑いで福岡地検に書類送検されている。

以上




                                                      


第6回 ブラック企業大賞2017授賞式&シンポジウム

最悪の企業はどこ?どうすれば闘える?
第6回 ブラック企業大賞2017授賞式&シンポジウム

パワハラ、セクハラ、残業代未払い、長時間労働、派遣差別、偽装請負・・・。
日本の労働環境は、ますます悪化の一途をたどっています。それらの職場はここ数年で「ブラック企業」と称され、社会的にも注目されつつあります。しかし個別事例の調査やその問題の発信・解決も簡単ではなく、ブラック企業で働く当事者は、不当な処遇を受けていても声をあげられる状況ではありません。さらにはブラック企業を生み出す社会・経済的な構造についての分析も不十分であるため、きわだったブラック企業の存在は一時的に取り上げられても、企業全体・働く現場全体の質の向上にはなかなか結びついていません。

そこで私たちは、ブラック企業の個別の事例はもちろんのこと、それら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして「ブラック企業大賞」を立ち上げました。12月23日、その授賞式&シンポジウムを開催します!ぜひ多くの方の参加をお待ちしています。

【授賞式概要】

●日時:2017年12月23日(土・休)14:00~16:30(開場13:30)

●会場:全水道会館 4F 大会議室 アクセスはこちら

●資料代:500 円

●主催:ブラック企業大賞実行委員会

お問合せ
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